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 当科が扱っております症例の一部の説明を記載しております。

腎血管性高血圧

【腎動脈狭窄経皮的腎動脈形成術(PTRA)を受けられる患者様へ】

1. 経皮的腎動脈形成術(PTRA)とは?

股部からカテーテルと呼ばれる細いチューブを血管(動脈)に差し込み細くなった腎臓の血管を中からカテーテル先端に付いている風船を使用して広げ血流を回復させる治療方法です。手術のようにお腹を切って開けることはありません。

2. 経皮的腎動脈形成術の必要性と治療上の位置

腎臓の動脈が詰まったりあるいはものすごく細くなったりすると腎臓へ十分な血液が行き渡らなくなり、そのため腎臓からレニンという血圧を上げる蛋白がが過剰に分泌され、いわゆる「腎血管性高血圧」を発症し心不全、脳卒中、腎不全等が起こります。
腎血管性高血圧の治療には 「血圧を下げ臓器障害を防ぐこと」と「腎機能を保持すること」の2つの目標があります。
具体的には1、薬物療法、2、手術療法、3、経皮的腎動脈形成術があります。

3. 経皮的腎動脈形成術の模式図

経皮的腎動脈形成術は1978年にGruntzig博士により開発された治療方法です。薬物療法や手術療法に比較して本質的な治療であり高血圧腎機能保護の観点から優れており患者様にとっては負担の軽い治療方法として認められています。

4. 経皮的腎動脈形成術後の生活

退院後は定期的な血圧の測定が再発を早期に発見するために必要です。また、原因疾患や状態により異なりますが、腎動脈拡術張後6カ月の間だけ血液が 簡単に固まらないようにお薬(小児用バファリン1錠)を飲んでいただきます。その間に押し広げた腎臓の動脈の内部の傷がうまい具合に修復されるようにするためです。

5. 経皮的腎動脈形成術の予後と治療成績

13-23% 程度の再狭窄(再び療法前と同様に血管が細くなる現象)が起こり、特に基礎疾患が動脈硬化症(AS)の場合によく再発します。一方線維筋性異形性(FMD)の場合腎動脈の狭窄の拡張に成功し7カ月間再発しなければ9割以上は大丈夫です。

論文による成績

6. 論文で報告されているPTRAの合併症としては以下がありますが非常に稀です。

1) 腎血管内膜剥離、2) 動脈血栓症、3) 腎動脈破裂、4) 動脈塞栓症、
5) 腎動脈枝のけいれんや閉塞、6) 鼠径部血腫形成など

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原発性アルドステロン症

 高血圧症の多くは、「本態性高血圧症」と呼ばれる原因不明の高血圧症ですが、高血圧症の約2割はその原因が明らかとなっている「2次性高血圧症」と呼ばれます。2次性高血圧症のうち、ホルモンの異常によって生じる高血圧症を「内分泌性高血圧症」と呼びますが、そのなかで、副腎からアルドステロンという血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されることにより生じる高血圧症が、「原発性アルドステロン症」です。1955年に初めて米国で報告された「原発性アルドステロン症」ですが、翌年、当教室が本邦で始めて「原発性アルドステロン症」の報告をしています。
 これまでは、高血圧症全体に占める「原発性アルドステロン症」の割合は1%未満の稀な病気と考えられてきましたが、近年、様々な診断技術などの向上により多くの患者様にこの病気が見つかっており、最新の報告では、高血圧症の約5-15%の患者様が「原発性アルドステロン症」であるとされています。すなわち、「原発性アルドステロン症」は従来考えられていたような稀な病気ではなく、高血圧症の約1割を占める比較的よくある病気ではないかと考えられるのです。
 「原発性アルドステロン症」では、高血圧症は極めて重症となることが多く、また、副腎より過剰に分泌されるアルドステロンの作用により、心肥大・不整脈・腎機能低下・脳出血・脳梗塞などの、全身の動脈硬化に由来する合併症が生じやすくなります。すなわち、これらの合併症を生じる前に、高血圧症と診断された際、または治療中に、「原発性アルドステロン症」の可能性に関して適切に検査を行い、診断することが大変重要となります。そして、「原発性アルドステロン症」と診断された際は、アルドステロンを過剰に分泌する副腎を手術により取り除くことで、高血圧症が大幅に改善し血圧を下げる薬(降圧薬)が減る、ないしは、降圧薬の内服が不要となり、高血圧症が完治することもあります。
 腎・高血圧・内分泌科では、「原発性アルドステロン症」の診断・治療に際して、当院の放射線診断科・泌尿器科・病理部と緊密に連係し、一貫した診療態勢で対応しております。初めて高血圧症と診断された時、既に高血圧症の治療中であってもなかなか血圧が下がらない時、「原発性アルドステロン症」を疑い検査を受けることが、適切な治療へつながる大切な第1歩です。

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